iPhone8やiPhone X以降、広がりつつあるワイヤレス充電。便利な一方で、リスクもあるということが大学の研究などで分かっています。
使い方によってはバッテリーの寿命を削ってしまう恐れも?
ワイヤレス充電は熱に弱い!?
イギリスのウォーリック大学の研究チームが、ワイヤレス充電によってバッテリーの劣化が激しくなると論文で伝えています。
論文によると、バッテリー劣化の一番の原因は「熱」であり、高温で長時間置くことで劣化が激しくなるというのです。
しかしよくよく考えると、リチウムイオンバッテリーが熱に弱いことは長年言われてきたことなので、当然といえば当然のことです。
問題は使用状況や使い方だと指摘します。
1. ワイヤレス充電の置き方
研究チームの記事では、ワイヤレス充電の置き方によって熱が発生すると指摘しています。
通常、iPhoneを充電する場合、Lightning USBケーブルを接続するので熱の発生源はiPhone端末だけです
しかしワイヤレス充電は、ワイヤレス充電端末とiPhone端末の両方に熱を持つので、熱を逃がすことができない状態になってしまいます。これはある意味ワイヤレス充電の欠点でもありますね。
また充電時に、ワイヤレス充電器とデバイスのコイルの位置がずれてると温度上昇が早くなり、発熱量が通常よりも最大7度高くなるようです。
表面温度の上昇を防ぐには、充電器の中心(正しい位置)で充電することが重要なのです。
2. ワイヤレス充電の置き場所
ワイヤレス充電器は、置き場所に気をつけなければなりません。
例えば窓の近くや日が当たる場所には置かないことです。
当然ながらワイヤレス充電中は熱が発生するので、追加で熱を発生させるような場所には置かないようにしましょう。
もちろん暑い時期に車内でワイヤレス充電をするのはNGです。熱暴走を起こす恐れがあるので避けてくださいね。
3. ワイヤレス充電の充電時間(サイクル)
iPhoneの正しい充電時間にはいろいろな説があるので、何が正しいのかという判断が難しいです。
まずよく言われているのは、ワイヤレス充電器とLightning USB充電では、ワイヤレス充電のほうが劣化が激しくなるという話。実はこれはほとんど影響はないと言われています。ただし上記でも説明したように、放熱しにくいワイヤレス充電のほうがややバッテリーの劣化に繋がると考えています。
またワイヤレス充電で置いたり持ったりを繰り返す行為、いわゆる継ぎ足し充電ですが、これも特に寿命を縮めるといったことはないようです。バッテリーを扱う会社の研究データでも、バッテリー劣化には繋がらないという報告でした。
それともう一つ、バッテリーの充電時間(サイクル)についてです。iPhoneの充電は、80%までは高速充電をして、それを超えるとゆっくりと充電される「トリクル充電」モードになります。バッテリーが100%の状態で充電器に置きっぱなしにすることはよろしくないとされていますが、新しい研究データではバッテリーへのダメージはほとんどないとされています。
ワイヤレス充電は正しく充電すれば問題ない
ワイヤレス充電は「熱」に気をつければ何ら問題なく使用できると思います。
温度の高い場所や直射日光の当たる場所での充電はおすすめできませんが、放熱できる環境で正しく充電できればまったく問題ありません。
更にワイヤレス充電の環境を良くしたい場合は、冷却ファン付きの充電器を使ったり、充電中はiPhoneのケースを外したりすれば理想的でしょう。
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